ヤクルト・石井琢朗打撃コーチが20日、フジテレビの元アナウンサーで妻の詩織さんとTBS系「壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち~驚きの大豪邸公開&妻が大バッシングSP」に出演。昨季まで打撃コーチを務めていた広島を、突如退団した経緯を明かした。

【写真】型にはめない…広島が受け継ぐ石井コーチの信念

 現役時代の最高年俸は2億4000万円。コーチとしては広島のリーグ2連覇に大きく貢献した。強力打線を作り上げたその指導力は高く評価されていたが、突然の退団表明。その最大の要因は「家族」だった。

 石井は広島で単身赴任生活。一方、詩織さんは東京で3人の子育てに追われていた。昨年、ふたりは次女さやかさんの進路を巡って衝突。当時、さやかさんは大学までエスカレーター式の名門小学校に通っていたが、石井が「今の学校は辞めさせよう」と主張したことが発端だった。

 さやかさんはテニススクールに所属し、実力は全国でもトップ級。プロで超一流となった石井は「本気でプロを目指すならい今の学校ではダメ。本当にプロを目指すなら大学までエスカレートで行けるなんて逃げ道を作ってはダメだ」と伝えたが、詩織さんは「万が一けがしたら、娘の将来に責任を持てるの?ずっと離れて暮らしているのに、自分の価値観を押しつけないで」と、一歩も引かなかった。結局、ふたりはさやかさんの意思を尊重。通っていた私立の名門校ではなく、公立の中学に進学した。

 さやかさんの思いを受け止め、石井自身も大きな決断を下す。詩織さんに、広島を退団して帰京することを伝えた。「家庭に対してほったらかしてきた部分というか、自分に対して戒めではないけども家内に対して苦労をかけ続けてきたかなと。子供を任せっきりにし過ぎてたかなというのはあった」と語った石井。さやかさんのため、家族のためにサポートすることを約束したという。

 一方、詩織さんは熱烈なファンがいる広島を退団することに思い悩んだというが「もうひと踏ん張りできたかなと思うこともあるが、子供3人をひとりで3年間見ていくなかで、どうしても石井の力が必要だったり、いてほしいことが増えてきました」と、涙ぐみながら当時の心境を振り返った。

 現在、石井はヤクルトの打撃コーチとして尽力する一方、試合のないオフの日はさやかさんに弁当を送り届け、練習の様子も見守るなどしてサポート。愛娘の「ウインブルドンで活躍する」という夢をかなえるため、家族で奮闘している。