1 しじみ ★ :2018/08/20(月) 17:59:22.10 ID:CAP_USER9.net

 タイブレーク制の導入により、延長戦のドラマは新時代を迎えた。100回大会では「佐久長聖-旭川大高」「星稜-済美」の2試合で実施され、特に済美戦は逆転サヨナラ満塁本塁打で決着がついたため、大きな反響を呼んだ。延長13回から無死一、二塁でスタートする新ルールは、今年のセンバツから採用。全国大会では今夏に初めて行われたが、日本高野連には「新しい魅力が生まれた」「無死一、二塁でやらせるのは、投手に酷だ」という賛否の意見が寄せられたという。是非の議論は回数を重ねるごとに薄れていくだろう。これからはタイブレークの戦術に注目が集まっていくと思われる。

 今夏の地方大会では、約3700試合のうち、35試合がタイブレークで決着がついた。1%に満たない確率だ。勝敗の内訳は先攻13勝、後攻22勝。特に先攻が1点だけで逃げ切った試合が2例しかない。データを見れば、「後攻有利説」が浮かび上がる。

 済美は13回表に2点を失った。中矢太監督(44)はその時の心境を語る。「2点で済んだか、と思った。2点以内なら、あの作戦だと思った」。裏の攻撃は9番政吉から。セーフティーバントが得意。送りバントでも最悪、同点を狙える。内野安打で無死満塁という最高の結果に。そこから満塁本塁打が飛び出した。3点差以上なら、強攻策が頭にあった。タイブレーク導入が決定した際には、「後攻は後手になる。先攻が有利じゃないか」という意見が監督間では多かったという。しかし実際には2点差なら、後攻の心理的重圧は想像よりも軽いようだ。

 「もう先攻は取りたくないですよ」。そう苦笑するのは、島田商の池田新之介監督(41)だ。静岡大会準々決勝で静岡市立と対戦。先攻だった。タイブレークの13回表に9番打者のスクイズで1点を取ったが、追いつかれ、14回に5点。裏にまたも追い上げられたが、1点差で逃げ切った。「(13回の)1点では苦しいなと思った。後攻は相手の得点を見て、作戦を取れる。打順にもよるが、先攻はとにかく突っ走って、点を取るしかない」。実は練習試合と公式戦で2度、タイブレークを経験していた。いずれも先攻で敗れた。3度目の先攻では勝ったが、「間違いなく、後攻が有利と感じた」と語る。

 「後攻有利説」について、日本高野連の竹中雅彦事務局長に聞いた。過去の資料を分析済みで「(有利不利は)ほとんど変わらない。データはそのうち、落ち着くと思う」と話した。佐久長聖は14回表の1点を守りきった。今後は5割の確率へと近づいていくのだろうか。タイブレーク開始時の無死一、二塁という設定には、「バントしない学校もある。機動力を生*チームもあるだろう。高校野球にはいろんな特色のチームがある。その特性を生*ため」(同事務局長)という考えがある。導入のきっかけは、選手の体調を考慮してのもの。日本高野連は現行方式のタイブレークを継続する方針だ。人為的に作られた状況で、今後、どんなドラマが生まれるのか。100回大会の夏が、歴史の始まりだ。


(出典 www.nikkansports.com)


https://www.nikkansports.com/baseball/column/kunikarakoko/news/201808200000346.html

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