1 みつを ★ :2018/06/30(土) 21:58:50.60 ID:CAP_USER9.net

https://www.asahi.com/sp/articles/ASL6M3PLBL6MUJUB00B.html

岩手唯一の女子部員「野球できる受け皿、自分でつくる」
加茂謙吾2018年6月30日14時9分

 男子しかいない。それでも野球がやりたい。花北青雲(岩手)の藤原春香さん(2年)は硬式野球部に飛び込んだ。女子選手としては岩手で唯一の部員。一度はソフトボールに転向したが、野球のスピード感や力強さが忘れられなかった。女子が野球を続けられる環境はまだ整っていないが、自ら受け皿をつくるつもりだ。  昨夏の岩手大会で16強入りした花北青雲。6月中旬、藤原さんは身長150センチの体を駆使してボールを追っていた。二塁に飛んだ球を、左手のグラブを思い切り伸ばしてキャッチ。両足で踏ん張りながら、一塁へまっすぐ送球した。
 野球を始めたのは小学4年生のとき。紫波町の軟式野球チームで投手や三塁手としてプレーした。「ヒットを打ったときに、すごい達成感を感じた」。中学では県内の女子野球チームに所属したが、プレーできるのは中学3年生まで。学校の野球部にも女子選手はいたが、高校進学後も続ける人はいなかった。
 女子の硬式野球部がある高校は県内にない。女子野球部のある高校を探したが、当時、最も近いのは埼玉県の私立高校だった。県外進学はお金がかかる。妥協するしかなかった。
 高校ではソフトボール部に入った。野球部のマネジャーも見学したが「やっぱりプレーヤーがいいと思って」。だが始めてみると、ベース間の距離や打球の速さ、転がり方の違いに戸惑った。「スケールが全然違った。似ているようで全く別の競技だった」
 夏になり、野球部の柳谷和人監督に相談。男子の部活に入って良いのだろうか。練習についていけるのだろうか。不安はあったが、監督は「気持ちがあるなら一緒に野球をやろう」と誘ってくれた。
 ランニング、ノック、打撃練習、ウェートトレーニングなど全ての練習を男子とこなし、練習試合にも出場。筋力に差はあるが「野球ができるだけで楽しい」。練習試合では必ず1本はヒットを打つのが目標だ。中村海斗主将(3年)は「打席に入るとどっしりしている」と話す。7月には兵庫県丹波市で行われる全国高校女子硬式野球選手権大会に、同じように女子野球部がない京都や沖縄の選手たちとの連合チームで出場する。
 藤原さんの活動は他校にも影響を与えている。黒沢尻北では審判講習会を受けた女子マネジャーが紅白戦で審判を務めることもある。4月にあった県高野連の理事会で藤原さんを知った板沢勇太郎部長らが、「うちでも女子の活躍の場を」と始めた。
 藤原さんの夢は、プロや大学の女子チームでプレーして、いつか岩手に女子の硬式野球チームをつくること。「野球を続けたくても諦める女子は多い。自分がその受け皿をつくりたい」(加茂謙吾)

女子選手と高校野球

 日本高校野球連盟が主催する大会への参加は男子選手に限定され、女子選手は参加できない。
 一方、高校の女子硬式野球チームによる全国大会は1997年8月に始まった。翌98年には全国高校女子硬式野球連盟が発足。2000年から春の選抜大会も開催されている。
 同連盟の加盟校は人口の多い首都圏や関西の私立高が多かったが、今年4月、クラーク記念国際高校がプロ野球・楽天と提携して仙台キャンパスに東北初の女子野球部を創設。秀岳館(熊本)も加わり現在は27校が加盟している。そのほか3校から新しい加盟申請があるという。選手権大会には連合を含む28チームが出場。堀秀政事務局長は「問い合わせは年々増えている。それだけ潜在需要があるということ」と話す。


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